COLUMNコラム
「流行る」から定番に
2024.12.28
商品(サービス)が「流行る」こと。広告を出した広告主が目指す到達点で、私たち広告代理店にとって、広告主との打ち上げで乾杯したくなるような喜ばしい状況です。最近は会員制交流サイト(SNS)の拡散で流行るスピードが速くなりました。
タウン誌会社に勤務していた時に目にしたことがあります。人気タレントが紹介したラーメン店がテレビ取材を受け、その後は客が殺到。これまで地元客に愛されていたお店でしたが、出前も対応できない状況に。その結果、流行が去った後、売り上げが以前より落ちて経営が苦しくなってしまいました。
このような形で意図せず爆発的に流行ってしまうこともあります。そうした中で、私が広告主にアドバイスすることは「無理に流行らせようとしないこと」。身の丈に合わない広告を出したり、過剰な特典を提供したり…。売り上げや来客数が一定目標に到達したら、新規客向けの広告を減らして徐々に既存客へのリピート促進に予算を振り分ける。デジタル化で作業効率を上げてキャパシティーを増やす。スタッフ教育に投資する等々。内部の充実を図り、次の販促活動に向かうことをオススメしています。
会社やお店は永続することが必要です。熊本には50年、100年と、長く愛される老舗や商品がたくさんあります。一過性の流行りのものではなく、これらの老舗や商品のように「地元の定番」になるため広告主とともに、地道な努力を続け、孫の代まで愛してもらえるものを創り上げたいと思っています。
熊日夕刊コラム「一筆」より転載
(2021.7.24掲載)