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COLUMNコラム

メディアと、情報の二極化

2024.12.28

広告と切っても切れない関係にあるメディアは有料か、無料かに分けられます。販売・広告収入で支えられる有料メディアの代表格は新聞や雑誌。タウン誌発行の出版社に勤務していた私は、有料メディア出身です。一方、民放のテレビ番組や、会員制交流サイト(SNS)で読める無料サイトは、主に広告収入のみで成り立っています。

「情報はネットで無料に取れるから十分」。10年以上前から耳にする言葉ですが、注意すべき点があります。多くのネットメディアは自分では取材していません。大半が情報元のサイトにつながっています。なので無料サイトばかりになり、熊日のような地方紙が無くなれば、私の実家がある山都町の行事や地元で頑張っている人の紹介などを、どこも取材しなくなるかもしれません。地方紙は地域の出来事やスポーツ、文化など、他メディアからは得られない情報を発信しているからこそ、有料としての価値があると思っています。

一方で最近、ネットメディアの中にも、独自に取材したり、コンテンツを制作したりして動画やニュースを発信し収益化を果たしているところも出てきているようです。

「情報は究極的に0円に近づく」と言われていますが、これらの動きの中で、生活者側にとって無料の価値しかない情報と、お金を払ってでも手に入れたい情報の二極化が進んでいます。そして有料、無料にかかわらず、「メディアが魅力的なコンテンツを制作しているのか」を選別する広告主の目が厳しくなっていることも実感しています。

熊日夕刊コラム「一筆」より転載
(2021.7.17掲載)

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