COLUMNコラム
代理店からパートナーに
2024.12.28
私が勤めているような代理店を使わなくても、個人・事業者が簡単に広告を出せる時代になりました。ネット広告しかり、熊日にはスマホなどで直接、広告出稿を申し込むことができる「タウンパケット」というサービスがあります。会員制交流サイト(SNS)などの浸透で、誰もが安価に広告を出すこともできます。私ですら、別事業で展開している農業法人での直販に関してはSNSとECモールを活用予定です。
この状況で広告代理店の役割とは何でしょうか? 代理店はメディア活用法を熟知すべきなのは当然で、さらにクリエーティブを見る目やトレンド、顧客の趣向の変化、地域課題、広告主の経営方針、社風、社長の個性(笑)…を読み取ることも必要です。広告枠を売るだけでは、中間マージン業として消えてなくなるのは時間の問題。弊社も明日は我が身なのです。
そこでわが社は、今期から広告代理店ではなく「プロモーションパートナーズ」と呼称を変更しました。パートナーとしたのは、上段に構えたくなかったのと、現会長が築いてきた社風を生かしたかったからです。
「不謹慎だけど、新聞のお悔やみ広告を依頼されるまでの関係を、お客様と築くことが理想」。会長の言葉です。広告主と手を携えて会社や事業のことを、一緒に考えるパートナーでありたいと思っています。そして広告がうまく機能すれば、まだまだ儲かる地場企業が出てくると確信しています。広告業界が熊本のことを思い、行動できるかが問われているのです。
熊日夕刊コラム「一筆」より転載
(2021.7.10掲載)